過去分詞の形容詞的用法の場合、普通は「受け身的な意味」を表す。
The chair destroyed by George was expensive. ジョージに壊された椅子は高価だった。
しかし、違った使い方もある。
■能動的な「完了」の意味になる、他動詞の過去分詞
a well-read man 読書家
= a man who has read many books
既に辞書では「well-read(ウェルレッド)」は形容詞になっているが、もともとは read の過去分詞。そして受け身の意味ではない。
■「完了」の意味になる、自動詞の過去分詞
departed joys 過去の喜び
= joys which have departed
a gone girl 去った女性
= a girl who has (is) gone
そもそも自動詞(として使っている場合)なので、受け身の意味にはなり得ない。
(なお、gone, done, finished は have, has ではなく be 動詞でも現在完了形を表せる。)
いずれにせよ、辞書にもあるように、もう形容詞と考えた方がよさそうだ。あまりいろいろ考えるより。
ただ、普通の、受け身の意味を表す過去分詞の形容詞的用法と混同しないように注意。
いずれかの本で出てきたのだが、忘れてしまった。
インターネットをいろいろ探していたら、以下のサイトに説明があった。
堀田隆一氏
「hellog〜英語史ブログ」
http://user.keio.ac.jp/~rhotta/hellog/2011-05-19-1.html
*追記
ほかにも詳しく解説しているサイトがあった。
a dream come true かなった夢
dreams come true かなった夢
特に2番目なんかは普通の文章だと思っていたが、上2つはいずれも、
「come」は過去分詞の形容詞的用法。
「受け身」ではなく、「完了」の意味で、後ろから dream, dreams を修飾している。
両方とも、ひとかたまりの名詞句。これから夢がかなうのではなく、既に実現した夢の意味。
慣用表現として紹介されていることが多いらしい。
岡田伸夫氏
「英語研究室」
https://www.biseisha.co.jp/lab/qa/66